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紀田順一郎    「名前の日本史」(文春新書)

明治維新後、政府は徴兵と納税制度確立のために戸籍の整備が急務であると考え、平民にも姓名をつける壬申戸籍制度を発布する。当時の平民の数は人口全体の93%をしめていた。このことは、全国に混乱を引き起こし、反対する一揆まで起きていた。

 時々、知ったかぶりのように解説されるが、あの村は〇〇性ばかりがいるのは、〇〇族が大半をしめていたからと言われる。しかし、どうもこれは実際とは異なるようだ。

突然、苗字を持たねばならないという制度の発布で困った村の平民たちが、有力者の庄屋に押し掛けた結果、庄屋が「向井」にでもこの村はしておくかと決めたことが、村で同じ苗字ばかりになったのが実態だ。

 海辺の村で、村の実力者が、村民に苗字をつけてくれるよう依頼される。漁業の村だから一人一人に魚の名前を苗字につける。しかし何百もつけなくてはならないとなると、途中でネタ切れになる。それで、あるところから「芋」「白菜」「大根」などと野菜の苗字をつけるようになってくる。

 江戸までは、村で生まれれば、そのまま村で育ち一生を終えるのが一般的であった。しかし明治以降は村を離れて暮らす人もたくさんでてくる。

 徴兵制度により兵隊にとられた「大根君」が軍隊で苗字をからかわれ、思い余って兵を刺殺すという事件が起きた。

 いい加減につけた苗字により、こんな悲劇がたくさん起こったそうだ。

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| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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