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紀田順一郎   「古書収集十番勝負」(創元推理文庫)

神田神保町にある古本屋村雲書店の跡継ぎを決めるために村雲源三郎が考え出した方法は、長女の娘婿の倉島と次女の娘婿蜷川に稀覯本の古書10点をタイムリミットまでに収集できたものを後継者にするという方法。

 実は源三郎は重いすい臓がんに罹っていて余命一年が宣告されている。

 この争いに 古書マニアのアホ教授が一枚噛んで一儲けしようとするし、彼の宿命のライバルの塾経営者も絡むビブリオミステリー。

 後継者争いをしている2人。10冊のうち、半分は入手していたが、残り半分は苦戦する。

そこに、50冊の稀覯本を販売するという案内が、ある屋敷の人間から2人を含め、教授や別の古書店主にだされる。その中に入手困難だった5冊が含まれている。

 そして、その屋敷で、5冊のうちの1冊が突然目の前から消える。その1冊がどんな手を使い誰が消したかがこの作品の読みどころ。

 この場面にガンに罹っていた源三郎が突然車いすで登場する。
愛書家というのは、余命が宣告されると、死ぬ前にあの本だけは手に取ってみておきたいという悲痛な願いが強くなる。
 源三郎は後継者争いという手法を使い、死ぬ前にどうしても会いたかった本にめぐりあうことを企んだのだ。

 世の中では、知らないこと、わからないことは本によって解決する。本はそのためにあるということを主張する人がいる。とんでもないことである。本は、世の中に謎を広め、」迷いを深めていくために仕掛けられた最大のトリックである。

 この本の解説で長山晴生が書いている。この作品を読むと長山の論がその通りだと実感する。

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| 古本読書日記 | 05:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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