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佐野洋子   「恋愛論序説」(中公文庫)

私たちは幼いころから、意識しているしていないに拘わらず、将来本当の恋をするための経験、レッスンをしている。6歳から21歳までそんなレッスンをユーモアをちりばめて描く。

 油絵科の順子さんは、すべての男性を引き付ける女王であった。男の子は、順子さんが食べ残したパンの耳を競って食べたがった。

 幸田君の部屋に行くと年表が壁にはってあった。その年の年表だ。
4月5日 幸田宏、順子と恋におちる。まだ3月なのに。
6月25日幸田宏、眠っていた才能が頭をもたげはじめる。
7月1日 百号完成。新しい芸術の到来!順子感動す。初めての接吻を許す。
10月  新制作新人賞受賞。ついに我の時代来る!順子と婚約!
 年表は1Mもあり、幸田君の前途洋洋の未来が描かれていた。

 年表を見た順子さんは笑い、「貸して」といって幸田君の持っていた筆をひったくった。
そして年表の最初の余白に書いた。
3月25日幸田宏、順子と失恋す。
そして、今日がその3月25日だった。

なつかしさを覚える、青春の一コマである。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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