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佐野洋子    「死ぬ気まんまん」(光文社文庫)

このエッセイにでてくる古物商をやっているニコニコ堂の主人という人が面白い。一回会ってみたくなる。

 「ニコニコ堂が来た。ニコニコ堂は玄関に入って来たときから死人が風に吹かれて戸の隙間から人魂みたいにうすーくなってすけてみえるように立っている。そしてハァハァと息を絶え絶えとしながら、鼻をすすっている。
 足音がしないのは、体重が足音をたてるには少なすぎるからだとおもう。・・・まるで死人である。

 ニコニコ堂は一応古道具屋なので、時々、皿を頼んだり茶碗を頼んだりする。姫鏡台を頼んでいたから抱いて来たはずだけど、すぐ死人になってしまうので私はしばらく思い出せなかった。

 うちに来ると、来るだけで精力をつかい果たして帰れなくなるので泊まっていくが、死人だから平気である。」

 ニコニコ堂には、血圧が無い。あるとき風邪で医者にゆき医者が血圧をはかる。医者はニコニコ堂を絶対安静にして、「ご家族を呼んでください。」と言う。

 奥さんがやってきて「まったくもう」と怒る。
ニコニコ堂は言う。「でも、いつものことだから」と。

 すごい人だ。ニコニコ堂は。

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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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