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森絵都   「おいで、一緒に行こう」(文春文庫)

2011年3月11日あの東日本大震災が発生、それによって起こった原発事故。これにより原発20km圏内のすべて住民は圏外に強制的に避難させられる。殆ど住民は、それまで家族のように飼っていた犬、猫を置き去りにせざるを得なかった。森さんは、ネットで置き去りにされたペットを救う活動をしているボランティアの存在をしり、今20km圏内のペットはどうなっているのか取材を兼ね、ボランティア活動に参加する。

 人間はどうすることもできない悲しい現実に遭遇すると、大声をはりあげ泣くものだということをこの活動記で知った。

 東京からこのボランティアに参加した赤沼さん。知人のボランティアから、すごく弱っている犬がいる。自分はレスキューに行けないから、赤沼さんに行ってほしいという依頼がある。そのとき赤沼さん、すでに20km圏外に出る近くにきており、明日にしようと考え、宿泊先に戻る。

 翌朝一番、指摘された場所にゆくと衰弱しきった犬がいた。急いで病院に連れて行くが、点滴を受けている間に犬は死ぬ。
 自分を責めて、普段あまり泣いたことはないのに、大声をあげて泣いた。泣かないと心のバランスが取れない。

 同じボランティアをしていた太田さんの話。
「あるとき、一人である牧場に行ったら、がりがりに痩せた乳牛が50頭ほどいたんです。僕の顔をみるなり、喉が渇いた、お腹が減ったって、一斉に訴えてくるわけですよ。僕は一人だったから、牛対僕、で自分が人間の代表になってしまう。でも一人で受け止めるにはあまりに相手がでかすぎて、あまりにもたくさんいて、何もできない、してやれない、と。もう泣くしかないとおんおん泣きましたね。」

 数ページめくると、その牛の写真が載っている。見るのが辛い写真だ。

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| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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