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小泉武夫    「食の堕落と日本人」(小学館文庫)

 食べ物を入れる口は非常に重要な場所だが、それと同じくらい重要なのが、食べたものを吐き出すお尻も大切。そこからでてくるウンコも色、匂い、太さが健康である印。三位一体のウンコが重要なのである。

 色は黒いのがいけない。肉の偏食。体の酸化が進行していて体が弱っているか、血便になっている。強い臭いがあってもいけない。細くてもいけない。バナナの太さくらいのものが1本、2本とでてこなくてはいけない。

 ウンコが不健康なら尻も不健康になり、体も不健康になる。犬や猫は、ウンコをしても尻を拭く必要が全くない。健康なウンコであれば、尻を拭くことは無いのである。食べ物の出口である尻は入り口である口にまさるともおとらない大切な部位である。

 ところがこんな大事な部位である尻を最近はないがしろにする。男も女も区別なく、路上に車座になって座る人がでてきた。ベジタリアンをもじってジベタリアンというそうだ。
 こんな尻を大事にしない若者が増えたことが、逆切れ、暴発することの多発の原因になっている。
 お尻論から小泉は最近の若者の荒れた行動に結びついていると展開する。

 日本の水の品質はすばらしい。鉄分が0.02ppm以下でないと、日本酒は赤味をおびてきてできないのだそうだ。この0.02ppmというのはどれだけの鉄分のことをいうのか。新幹線の東京―新大阪の線路の上にゴルフボールを一個おいたくらいなのだそうだ。

 この酒の製造法の堕落に小泉は怒る。吟醸酒というのは、米粒を半分の大きさで醸造する。すると酒粕が半分以上発生する。つまり、半分は捨てるのである。これがもったいないということで、たくさんの酒をつくるために米粒を完全粉砕して粉にしてしまったり、醸造期間を短くするため醸造用アルコールを混ぜる。これを堕落というのだ。

 堕落は食生活にもおよび、伝統的な日本料理がどんどん消えてゆく。このことが、日本人の健康を害し、衰退してゆくと小泉は嘆く。しかし、小泉の指摘するあるべき作物の栽培や、料理の仕込み、時間をかけた料理を一般家庭で実施することは難しい環境になってきた。

 嘆き、郷愁は理解できるが、今を受け入れることも仕方ないように思う。

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| 古本読書日記 | 05:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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