FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

宮下奈都 小路幸也    「つむじダブル」(ポプラ文庫)

小路幸也と宮下奈都が合作で作った物語。兄由一は高校2年生でプロのミュージシャンを目指してバンドを組んで頑張っている。妹のまどかは小学4年生で、柔道を御祖父さんに習う、柔道大好きな女の子。

 由一の視点を小路が担当し、まどかの視点を宮下が担当し、章をわけて執筆している。
2人は今はいかにもありきたりな平凡な両親のもと、幸せに暮らしている。そして、時々思う。自分と同じ年だった頃が両親にもあった。そのとき、両親はそれぞれどんな思いをしながら日々を送っていただろうか。

 今が平凡だからといって、その昔、両親が平凡な青春を送っていたとは限らない。

松田聖子を彷彿とさせる櫻井華子という、かってのスーパーアイドルから突然由一の家に電話がかかってきた。それから、由一が組んでいるバンド「DSR」に石崎という小さなプロダクションの社長からスカウトの申し込みがある。

 そんなできごとが繋がる。

櫻井華子が歌って大ヒットをしたデビュー曲「あなたのわたしのKISS」は、20年後の今もCMに採用され、今やだれでもくちずさむことができる歌だ。

 実は、その歌は石崎が作った曲だ。そして、その曲は、石崎が由一、まどかの母由美子のセカンドシングルとして作った曲だった。

 しかし、そのとき母と石崎は恋人関係になっていて、母は石崎の子を身ごもっていた。母はアイドルになることを諦めた。そして、生まれた由一はだから石崎の子だった。

 しかし、そんなことは克服して、両親は、暖かく幸せな家庭を築いた。

 小さなライブ会場で、「DSR」のコンサートが行われる。それを石崎や母がみている。コンサートが終わり、観客がいなくなる。

 石崎がバンドに「あなたのわたしのKISS」の譜面をわたす。演奏が始まる。ステージには母が上がる。20年の時を越えて、アイドル小宮由美子の万感が籠った歌声が会場に響き渡る。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT