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岡田尊司   「働き盛りがなぜ死を選ぶのか」(角川ONEテーマ21)

 日本人の自殺者数は1998年に前年より8000人以上急増し年間34427人と初めて30000人を突破した。この本はまだ30000人を突破していた2011年に出版されており、問題が深刻化していた時代を反映した作品になっている。自殺者数は2012年には30000人を切り、24025人まで減少している。それでも、大量の人たちが自殺をしていることには変わりはないのだが。

 この作品は、自殺の原因が経済停滞と結びついているのではとの仮定からスタートして、その結び付きではなく、経済を立て直すための処方を論じている。自殺からの脱却については殆ど論じていない。タイトルの過激さと中味があっていない本である。

 人口減少社会では、経済成長を実現することは難しいと認識されているが、実際は違う。

 アイルランドでは1820年には人口が710万人だったのが100年後の1920年には310万人となり100年前の半分以下となっている。さすがにGDPは18%下がったが、一人当たりのGDPは43%上昇し一人当たりの所得は大幅に伸びた。これは一人当たりの労働生産性が大幅に向上したことにより実現している。

 1993年から2008年まで、先進各国では2割から4割の生産向上がみられた。アメリカ、イギリス、オランダでは所得が5割から7割ものびた。

 つまり、人口減少社会になっても、生産性向上が実現できれば、GDPも増え、所得もあげることができるのである。

 ところが日本は同時期、生産性は30%あがったのに、個人所得は下がったのである。つまり日本では、技術革新や労働方法の改革により、生産性向上が実現したのではなく、非正規雇用の拡大や、中高年を大量リストラすることによって実現したことを表している。

 日本の実質労働生産性を向上させるところに、財政をつぎこんだり、投資をすることが、自殺を減らすことへの重要な鍵とこの本で岡田は主張している。

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| 古本読書日記 | 06:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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