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長野まゆみ     「鉱石倶楽部」(文春文庫)

「ゾロ博士の鉱物図鑑」に載っている、紫水晶、白雲母、月長石などの美しい鉱石の写真とともに、その鉱石からわきでたイメージと物語を紡いでいる。

 天河沙流の結晶からイメージした鉱石の説明が、ピタっと写真とはまる。

 「アイネクライム村の海岸でだけ採集できる珍しい沙流。・・・硝子壜に詰めた装飾品としても人気が高い。猫族のチンチラ仲間たちは、この天河沙流を身体にふりかけ、毛並を煌めかせて歩くことを流行らせている。我々の仲間でも、北極狐などから大量の注文があるそうだ。アイネクライム村では、郵便小包で各地に送っているという。」

 鉱石は、石だから、食すことはできないが、写真をみつめていると、砂糖の塊、金平糖や洒落た洋菓子のようにみえてくる。長野さんは、それを美味しいぞというばかりの表現で描写、説明する。写真に写る鉱石を本当に手にとって食べたくなる。

 北極地方の零下20度の世界では、アイスクリームは冬の鍋のように、暖をとる食べ物という発想もすばらしい。

 絵本から飛び出してくる小さな物語の数々は、少女ではうまく決まらない。やはり、小さい兄弟でなくては。海にのりだす冒険や、空を舞ったりするのは、冒険心一杯の兄と、少し気が弱い弟が活躍する。夢に溢れて、ピュアな少年たちの輝く絵画が、長野さんの紡ぐ物語から目の前に飛び出す。

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| 古本読書日記 | 06:32 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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