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長野まゆみ   「あの頃のデパート」(新潮文庫)

昭和40年代、50年代はデパートが全盛の時代だった。デパートはその頃は、家族が行きたい、今でいえば、ディズニーランドのような場所だった。だから、この作品で長野さんが言っているように、デパートに行くと言われると、前の晩は眠れなかったり、一張羅を着こんで行くところだった。

 今日は食堂で何を食べようかとか、屋上の植物園探索や乗り物楽しみだった。その頃はデパートの屋上はその近辺では最も高いところで、そこから見る展望も楽しみだった。

 長野さんは、そんなデパート黄金時代に社員として店頭にたっていた経験を持っている。その時代を回顧して、このエッセイを綴っている。

 デパートにいるとよく耳にするアナウンス
「先ほど、〇〇売り場で〇〇をお買い上げいただきましたお客様に申し上げます。お忘れものがございますので、お近くの係員までご連絡いただきますようにお願いもうしあげます。」
 これは、すべて隠語。お釣りを間違えたとか印紙を領収証に貼り忘れたか、デパート側のミスのために流しているアナウンスだそうだ。

 こんなアナウンスがたびたび流れるデパートはよくないというシグナルだと思わねばいけないのだ。

 デパートはお中元とかお歳暮を大々的に売り上げを上げる機会だととらえる。ところが、この扱い商品がかなりの割合で返品されてくるそうだ。世の中の慣習で行われているが、贈答品がくる人には大量にくる人が多く、殆どが不要なものばかりで、これを包装紙をみてどこの百貨店が扱っているか判断してそこに返品持ち込みをするのだ。

 ここでデパートから多くの金をせしめようという輩がたくさんいるからデパートも対応に大変。デパートで販売したのではない商品を、どこから包装紙を調達して、商品をくるみ、お金を要求する人。

 大口取引先で大幅値引きをして販売。それが返品するときは、値引きをしているかなどは知らないふりをして、正規の値段で引き取ってもらおうとする人。値引きをしていた商品であることを納得させる証拠がないため、デパート側は対応に苦慮する。

 お歳暮、お中元の多くは、取引先の担当に贈るもの。それが返品されるのなら、会社間での贈り物の風習は禁止したらとこの作品で思ってしまう。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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