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有川浩     「旅猫レポート」(講談社文庫)

 主人公は30歳を過ぎている悟。ある日瀕死になっている野良猫を救ってやり、名前をナナにして一緒に暮らし始める。ナナは人間の言うことがわかり、他の猫とも会話ができる。

 5年間一緒に暮らしたが、ある事情があって、ナナを手放さなくてはならなくなる。
「猫をもらってくれませんか?」と銀色のワゴンに乗って、小学校や中学校、高校の頃の親友を訪ね全国を旅する。

 読者は、何でナナを手放さねばならないか、疑問を膨らませながら、悟とナナと一緒に全国を旅する。最も何故と思うのは、時々、これが最後の旅といわれるフレーズが登場すること。

 確かに、友達との昔の交流、衝撃を与えた出来事、そして友達の現在の暮らしぶりなど、読んでいてそれなりに興味は沸くが、疑問が頭にこびりついているため、かなりロードノベルの部分はかったるい。

 その疑問を解く出来事はロードノベルの間にヒントがちらつかしてある。
小学校の修学旅行のとき、悟だけが途中で繰り上げて帰家する。両親が交通事故で亡くなったのだ。或いは、不況で悟の勤めていた会社もリストラという名の人員整理を大々的にしたことなど。

 それでも、まったくわからない。このまま終わったら何?この小説と思ってしまうのだが、ちゃんとロードノベルの飽き飽きした感じを大きく凌いで感動させる最後、ノリコの章を用意してあった。

 悟の両親は、母親が一般家庭で、父親は著名な資産家。それで、父親の両親は結婚に猛反対。しかし、父親も母親もその重圧をはねのけて結婚する。更によくなかったのは、母親が子供が産めない体であることが判明。それで、悟を養子にした。両親と悟は血がつながっていないことが判明。それから、母親の妹ノリコが判事の仕事を捨ててまで悟を引き取った経緯。更に悟が重い肝臓ガンを患っており余命半年の宣告を受けていたことが、この章で明かされる。

 悟が亡くなり、ナナが昔の野良猫に戻っていくとこが、りりしくもあり、せつなさもこみあげ感動する。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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