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多島斗志之   「海賊モア船長の憂鬱」(上)(角川文庫)

 全体の感想は、下巻を読み終わって、下巻の感想で書く。

 18世紀、1700年代のはじめ、イギリスとオランダは東インド会社を作り、アジアに進出。勢力を2分してアジアを支配下においていた。ヨーロッパでは、イギリスとオランダは同盟を結んでいて、フランスと敵対していた。

 そんななかで、インドでは、イギリス、オランダ、フランスがそれぞれ居留地を持ち、商売をしていた。そこには、海賊がいて、時々商船や艦隊を襲って、商品を略奪したり、船を奪ったりしていた。最もその海賊で勢力があったのがモアの率いる海賊だった。

 主人公のクレイ。東インド会社本社から、インド、マドラスに派遣される。インドから帰国命令のでた上席商務員であるニコラス フィリップスが(マドラスの星)といわれているインド産の宝石とともに失踪。その行方を探し、どこへ行ったのか割り出せというのがクレイに与えられた使命である。

 面白いと思ったのは、東インド会社は、完璧な上意下達社会。本社の意向を達成できなければ、抹殺さえもある、完全統制社会。クレイは、フィリップスの消息を追って、モアの海賊社会に拉致されるが、ここは完全に民主主義社会。すべての重要決定は、多数決で決まる。モアといえども、多数決で決まったことには従うしかない。その意味では、開かれた公平な社会が実現しているところ。クレイも窮屈な会社に比べ、自由闊達な海賊社会に少し憧れる。

 それにしても、いつも腑に落ちないのは、香辛料取引が莫大な利益をイギリスにもたらすところ。この作品でも、ナツメグやグローブの取引の拡大で戦いが起こるのだが、そもそもイギリスでは料理グルメからは最もかけはなれた国。ナツメグなど奪取して、何に使ったのかピンとこない。それほど、イギリスに利益をもたらしたとは到底思えないのだが。

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| 古本読書日記 | 06:20 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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