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又吉直樹       「火花」(文春文庫)

 280万部の大ベストセラー。読んでいないと時代遅れと揶揄される作品。単行本から文庫になって、遅まきながらやっと手に取ってみた。

 又吉を表現していると思われる売れない漫才師、主人公の徳永、ストイックで天才肌の漫才師神谷とであい、その能力に脅威をかんじながら、師弟関係を結ぶ。

 徳永の相方山下に女ができ、子供まで作り、結婚をする。漫才師ではとても家族は養えない。それで、コンビを解消することになる。結果徳永も山下あってのコンビだったので、漫才芸人で生きてゆくことを断念する。

 その決断を伝えに神谷のところに行くが、その時の神谷の言葉がぐっと私を掴む。この作品で、又吉の想いが神谷を通して語られる。

 「漫才はな、一人では出来ひんねん。二人以上じゃないと出来ひんねん。でもな、俺は二人だけでも出来ひんと思ってるねん。もし漫才師がこの世に自分だけやったら、こんなに頑張ったかなと思うときもあんねん。周りに凄い奴がいっぱいいたから、そいつらがやってないこととか、そいつらの続きとかを俺たちは考えてこれたわけやろ?ほんなら、もう共同作業みたいなもんやん。同世代で売れるのは一握りかもしれへん。でも、まわりと比較されて独自なものをうみだしたり、淘汰されたりするわけやろ。この壮大な大会には勝ち負けがちゃんとある。だから面白いねん。でもな、淘汰された奴らの存在って、絶対無駄じゃないねん。やらんかったらよかったと思う奴もいてるかもしれんけど、例えば優勝したコンビ以外はやらんほうがよかったんかって言うたら絶対そんなことないやん。一組だけしかおらんかったら、絶対にそんな面白くなってないと思うで。だから舞台に一回でも立ったやつは絶対に必要やってん。ほんで、すべての芸人には、そいつ等を芸人でおらしてくれる人がいてんねん。家族かもしれへんし、恋人かもしれん。」

 漫才やお笑いコントの強さは、雲霞のように集まっている塊が、強烈なエネルギーを持ってうごめいているから、保たれ増幅しているのだ。その塊全体が漫才、面白いコントを生み出している。なるほどと感服した。

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| 古本読書日記 | 06:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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