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初野晴    「わたしのノーマジーン」(ポプラ文庫)

 今介護現場にも介護用ロボットが導入されるようになった。この作品は、未来の話で、介護用ロボットが進化し、更に遺伝子組み換え技術も革新がなされ、「アイ・ペット」という、人間の5歳程度の知能をもつ介護用動物が開発導入されている時代を扱う。このアイ・ペット、サルとブタで作られる。そして富裕層である、女性独身政府高官、子供のできない夫婦、子供が独立した老夫婦を支えるペットとして迎えられた。

 このアイ・ペット。半世紀の間は利用されたが、やがて衰退してゆく。それは、もっと優れた介護ロボットが登場したこと。特にブタを食さない団体からの反キャンペーン。更に、富裕層が自分だけは生き抜きたいと、アイ・ペットを臓器提供者にするため殺してしまうことに動物愛護団体から強烈な反対運動がなされたことによる。

 そして、世界で7匹になったアイペット。その6匹がすべて殺され、逃げ出した最後のアイ・ペットである赤毛サルのノーマジーンが主人公で障害者のシズカを支えるために、シズカの母親の指示で、シズカのもとに派遣されてくる。

 アイ・ペット5歳の言語能力しかなく、読み書きもできないし、数字も5までしか数えられない。最初はシズカと摩擦ばかり起こる。それがだんだんシズカにはなくてはならない存在になってゆく過程が丁寧に描かれる。最後ノーマジーンが、シズカにとっては自分が重すぎると思い、シズカのもとを去ってゆく場面は胸がしめつけられる。

 それにしても、面白いと思ったのは、この作品に介護用ロボット開発の第一人者という学者が登場するが、彼が開発したのは、要介護者に対し反逆するロボットだ。暴れたり、言うことをきかない要介護者を押さえつけ、抵抗できなくするロボットである。

 すごい発想であるが、ひょっとすれば介護現場では、熱望されるロボットかもしれない。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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