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津村記久子    「まともな家の子どもはいない」(ちくま文庫)

 最近は、親が子供以上に成長してなくて、子供のまま大人になっている親が多い。子供のほうが親より人間を見る目や判断力がある。そんな家庭では、子供はうんざりしていて、馬鹿な親とは一緒にいたくないという状態になる。

 特に、両親の関係が破綻していたり、離婚して片親としか暮らしていない、父親に生活能力がなく、家で毎日ブラブラしているような家庭は、日々生活するお金も不足がちになり、そのしわ寄せを子どもがかぶる。

 この小説は、親のだらしなさを子どもの眼を通して描き、それにより子供が受ける寂しさ、孤独感、やるせなさを描いている。

 津村さんは、こういう家庭がいかにも現代の特徴のように描き出すが、そんなことは無いと思う。私の子どもの頃も、こんな家庭は一般的に多くあった。生活力の無い両親、常に両親が喧嘩をしていて、貧乏な家庭。今以上にたくさんそんな家庭はあった。それはまだ日本が貧乏だったからかもしれない。別にそんな家庭は恥ずかしいこともなく、子供は中学をでて働きだした。当たり前の風景だった。

 この作品、主人公のセキコが冷静で、いかにも親のほうがわがままで対応が情緒的なように描くが、そうかなあと疑問に思う。

 父親がある日コンビニで働きだす。セキコはほっと安心する。或いは母が「お金のことは心配いらないよ。あなたを私立高校にだすくらいの蓄えはあるよ。」と言われた時もほっとする。

 しかし、セキコはどんなことがあっても根っから両親が嫌い。それでふるまいを変えない。

 両親にも問題は確かにあるが、セキコにも問題があるように思う。 

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| 古本読書日記 | 06:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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