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初野晴    「千年ジュリエット」(角川文庫)

ロミオとジュリエットの舞台になったイタリア ヴェローナには今でもジュリエットの秘書という人がいて、世界中から恋愛相談を受けている。

 清水の総合病院で精神を病んで入院している5人の女性。カエラ姉さん、元女子プロレスラーのミサトさん、9歳のキョウカ、最年長のシズコさん、それから主人公のトモ。恋愛経験などほとんどないのに、それぞれ虹の5色の色を持つジュリエットの秘書になり、恋愛相談サイト「ジュリエットの秘書・はごろも支部」をたちあげる。

 相談がきたらみんなで解決策を考え、メンバーの誰かが回答する。何日間か過ぎても相談は無く、もう来ないと思っていたら第一号がくる。

 そんなことで始まったいくつかの質問に対し、これは名答だと思った回答がある。
 「彼とつきあって7年になり、来年結婚を考えているが、最近は付き合い始めたころのドキドキ感が無くなり、だらだらと完全にマンネリ化したつきあいになっている。このまま結婚してもよいか。」という質問。

 カエラが言う。「プロレスもまんねりじゃない?ぜんぶやらせ。」すると元プロレスラーのミサトが言う。「マンネリじゃないし、やらせもない。筋書きがあるだけ。」
 「筋書きがあることがお客をばかにしているんじゃない。」
 「何を言ってるの、人生だってすべて筋書きがあるんじゃない。」
 「だけど運、不運っていう思いがけないことがあるから人生はおもしろいじゃん。」
 「運、不運はアクシデントと言うの。幾つかの筋書きをもって、そのアクシデントに備えるのが人生なの。」

 「総合格闘技ってのがあるじゃん。あれは、筋書きもなく、一瞬にして終わる。盛り上がるのもすごいけど、一瞬にして冷める。筋書きの無い恋と同じ。お客さんをどう楽しませるかとなれば一流の筋書きが必要。筋書き通りすすまないことがあるが、それが物語になる。筋書きがあるこれが恋であり愛なのだ。奇跡なんておこりはしないんだ。」

 そして回答
「マンネリが生まれたのは、あなたと相手が描いた筋書きが三流だったから。筋書きを見直し友人やご家族が度肝を抜くような筋書きを作りましょう。二転、三転する筋書きが望ましいです。」

 面白い、個性的な回答である。

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| 古本読書日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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