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池井戸潤    「BT‘63」(上)(講談社文庫)


 BTというのは、ボンネットトラックという意味。私たちが子供のころはトラックやバスのエンジンは、運転席の前に格納されていて、どれも鼻がつきでたスタイルだった。BT‘63の63は池井戸が生まれた1963年を表している。つまり、この小説は池井戸が生まれた1963年を題材としているのだ。

 小説全体の感想は下巻の感想で書くつもり。

 1963年は翌年のオリンピックを控え、道路や設備が新たに作られ、国中が活気にあふれ、高度成長期真っただ中な時。しかし、こういった時代には、暴力団も活動的で、深い闇を持ち、人々をその闇にひきこんでしまおうと暗躍していた。

 この作品は、そんな時期の東京下町の運送会社を舞台にしている。今でもそういうところがあるかもしれないが、この時期のトラック運転手というのは、人生の過去に、大きな、隠しておきたい影を持っている人たちが多くいた。

 物語では、ドライバーが賭博で大きな借金を背負い、その借金を返すがために、深い闇に引き入れられ、それが、運送会社まで影響が及び、運送会社が立ち行かなくなるところを描く。

 闇に引き入れる男が2人いるのだが、この登場シーンが不気味。借金を抱えたドライバーの平が、ある日家に帰宅したとき、部屋の隅の全身白装束の男が座っていた。膝の前に水を張った盥ととぎいし、出刃包丁を揃えて正座していた。・・・・男はだまって包丁をとると、研石に水を注ぎ、静かに研ぎはじめたのだ。
 しゅ、しゅ、しゅ。

 これにびびり、恐怖の真っただ中に平がいると、真打である闇の男成沢が登場して、ある梱包済みの物を、民間のゴミ処理場まで運んでほしいとの依頼がある。その中身が不気味である。

 それが何なのかを想像しながら、下巻に進む。

 一旦依頼を受けると、断ることができなくなり、平がどんどん闇に引きずられていくところが恐ろしい。

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| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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