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佐藤優   「いま生きる『資本論』」(新潮文庫)

 賃金というのは、利益の分配によって決まるのではない。生産のところで決まる。そして、その要素は次の3点である。

 ①一か月の食費、服代、家賃それにちょっとしたレジャー費。次の月も働くことができるエネルギーをやしなうための費用
 ②次の世代の労働者を作り出す費用。家族を養う費用。
 ③資本主義社会は技術革新を伴う。その革新を学ぶ費用

 それが、差別化されたとして、年収が200万円であっても、最低限上記のことが維持されのなら、資本主義社会は壊れない。今、我々が生きている社会は後期資本主義社会と呼ばれ、富める人間は、想像もできないほど巨万の富を獲得し、貧困層はどんどん弱体化してゆく構造になっているが、最低限の生活保障が実現する社会インフラがある後期資本主義社会は崩れることはないのである。

 労働者というのも、より多くのお金が欲しい、出世をしたい、将来そういうふうになりたくて、有名大学にはいるためにお金をつかう。完全に資本主義システムの中に組み込まれている。だから、労働者自身が、資本主義社会を団結して破壊しようということにはならない。むしろ、その欲求を制限し、押さえつけようとすれば、それを突き破ろうとして破壊がおきる。

 佐藤さんは、したがって団結した労働者による革命は起きることがないとこの書物で言う。そこがマルクスの資本論の最大の誤りであると断じる。

 そうは言っても、成長がとまり、縮退傾向になると、資本家は労働者を抱えておくことができなくなり、上記労働賃金の3要素が崩れれば、一体どうなるのだろうかという強い疑問と不安が浮かんでくる。

 佐藤さんのこの部分が論理に飛躍がある。そういうことになれば、佐藤さんはそれを恐慌と呼ぶが、資本主義というのは、恐慌をイノベーションで克服すると言う。

 ここがついていけないところだが、佐藤さんの主張が正しいと縋りたくなる自分がいることも確かだ。

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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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