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初野晴     「惑星カロン」 (角川文庫)

 清水南高校吹奏楽部員の主人公穂村チカと美少年上条ハルタが巻き込まれるミステリー解決にのぞむ中編集。

  ミステリーでよくあるのが完全密室事件。そのなかで、犯人はどのようにして殺人を起こし、室外にでられたのか謎をとくストーリー。このトリックをどのように構築するのが完全密室事件では作家の腕のみせどころ、読ませどころになっている。

 この中編集に収められている「理由ありの旧校舎」がちょっと変わっている。この旧校舎には、文科系クラブ、サークルの部室が存在している。退校時間である19時を過ぎた19時半に担当の先生が見回りしたときには、すべて鍵がかかっていて、戸締りがなされていたことを確認したのだが、翌朝の6時半にはすべての部屋が全開にされていた。

 いくつかの部では貴重品が保管されているため、鍵はマグネチックタンブラー方式にしてあり、ピッキングができないようにしてある。

 盗難物は何もなかったが、どうして、朝には、すべてが全開になっていたのか。
これは、密室の逆張りで、完全全開トリックはどうして可能になったかというミステリーである。

 トリックは結構ありふれたものになっている。

 19:30には、まだ各部の生徒は残っていた。では、何故、彼らは、その後戸締りをせずに全開放にして帰宅したのか。

 当日、各部は集まって、3年生の合同引退式をしていた。その日に提供された食べ物は美味なのだが、世界一臭いとされるスウェーデン製の缶詰、シュールストレミング。この悪臭を外へはきだすために、全開放して生徒は帰宅した。早朝、早めに学校へきて、全部戸締りをするつもりだったが、学校へ来るのが遅くなり、全開放のままの旧校舎が発見された。

 初野、密室開放事件という変化球を投げたが、事件も起こっていなくて、切迫感もなくちょっと失敗だったかなというのが感想。

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| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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