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多島斗志之    「マールスドルフ城1945」(中公文庫)

 短篇集「追憶列車」を読んだとき、これは短編ではもったいない、ぜひ長編にしてほしいものだと感想を書いたが、この作品は「追憶列車」の続きを長編にしている。

 1945年4月、パリにいた在留邦人がベルリンに避難。しかし、ベルリンも陥落寸前。そこでドイツにいる在留邦人を含め、マールスドルフという小さな町にある城に疎開することになった。

 その疎開直前に、ナチス親衛隊に所属していたシュミット大尉は突然ヒットラー総統に呼ばれ「赤い顔をした敵を殺せ。」と言われる。毎晩のようにヒットラーのところに降りてくる。薄い膜がかかっているが、容貌は東洋人。こいつを殺せば、戦いに転機がくる。

 それはヒットラーのイメージであるもので、誰だか特定できない。

 シュミットは街を歩いていて、夕焼けに顔が真っ赤に染まった日本人にであう。シュミットは、彼こそヒットラーが言う、赤い顔の東洋人と思い、彼を射殺する。

 このことをヒットラーに報告すると、自分のところに降りてくる赤い顔の東洋人とは違うと言われ、戸惑う。ヒットラーは徹底的に探して殺せと命令する。

 不思議に思うのは、赤い顔の東洋人を探して射殺すれば、ドイツがどうかわるのかがまったく見通せない。

 更に不思議なのは、ヒットラーと愛人エバはシュミットの目の前で、自殺する。ベルリンはソ連によって陥落。もうヒットラーの時代は終わったのに、シュミットはまだ赤い顔の東洋人を探して射殺しようとするところ。

 命令者は死んだのに、何故シュミットは赤い東洋人に拘るのか。物語を読み続ける気力が急に減退した。

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| 古本読書日記 | 06:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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