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アンソロジー    「恋のかけら」(幻冬舎文庫)

 唯川恵をはじめとして8人の女性作家が描く恋の短編集。

 山崎マキコの「ちょっと変わった守護天使」がテンポもよく楽しくいい小説だった。

 主人公の本宮つぐみは会社の主要部門であるバイヤー部門一筋で懸命に頑張ってきて、今34歳。会社の上層部で人事権を持つ人と不倫を続けてきたが、利用されるだけの身分がに嫌気がさし、別れることを告げた途端、異動が発令されCSR業務担当となる。しかも担当者はつぐみのみ。完全に会社をやめてくれという辞令。

 突然5歳年下のオタク系の桜井君が話しかけてくる。
 「この間レンタルビデオ屋でAVの棚をみながら歩いていたら、『人妻熟女34歳』という
タイトルのがありまして。」
 「何が言いたいのだ。」
 「いや熟女って素晴らしいなと思いまして」
 その日はまさにつぐみは34歳の誕生日。
 この後、夏休みはどうするという話題になり、口からでまかせにつぐみは
 「自転車にテントでもとりつけてキャンプにでも行こうかな。」
 「誰と?」
 「もちろん一人で。」
 「それは危ない。絶対だめ。」
 「でも熟女だから大丈夫。」
 「たしかにニッチではあるんですけど、需要が世の中にはあるんですよ。だから『人妻熟女34歳』なんてDVDもあるんです。つまり世の中には私たちには想像もつかないマニアックな趣味の人がいるんです。」

 こんなやりとりがあって、今つぐみは桜井君の運転する車でキャンプにでかけている。
 ものすごい渋滞にあって、キャンプ場と思われたところに着いたのが夜9時で真っ暗。

 2人はキャンプは初めてだし、テントも張ったことはない。四苦八苦してテントを張り食事の用意を始めたのが夜11時。

 焼肉をやろうとするのだが、備長炭に火がつかない。何しろ備長炭は、つぐみが10数年前の学生のとき、世をはかなんで自殺をしようとして買ったもの。やっとちょろちょろと火がついた。食べてのは焼肉ではなく半生肉。食べ終わって寝ようとしたころ、やっと火が燃え盛る。

 朝目覚めると、テントの外に動くものの影。さては熊かと。つぐみは匕首をもって突進しようとする。で、そこにいたのは牛。キャンプ場ではなく牧場でキャンプをしていた。

 この後もハチャメチャな行動をするのだが、ここまで読んだだけでも、これは羨ましいカップルになる予感がいっぱいする。

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| 古本読書日記 | 09:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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