FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

江國香織      「左岸」(上)(集英社文庫)

辻仁成の「右岸」と共作ということで、発売当時話題になった作品。辻仁成の作品、初期の作品は集中して読んだが、それ以外は読んでないので、「左岸」と関連があるのかはわからない。

 「左岸」全体の印象については下巻を読んでから記す。

主人公の茉莉は、学校では変わった子として、虐められていたが、二歳年上の兄、惣一郎を慕い、その助けもありめげない力のある子に育つ。その2人に隣の家の九も加わり楽しい生活をしていた。ところが、惣一郎は茉莉が10歳のとき、首を吊って自殺をする。

 衝撃を受けた茉莉は、いつも惣一郎が言っていた「チョウゼンとして、もっと遠くへいけ」という言葉を肝に銘じ生きていこうとする。人生の中で困難や岐路にたったとき惣一郎のこの言葉が茉莉の心に必ず浮かんでくるのだ。

 茉莉は17歳、高校生のとき隆彦と駆け落ちして川崎に住み付く。その後、故郷の福岡に帰り、家庭教師について大検にトライ、一年目は失敗したが二年目で大検を通過して、九州大学を受験し合格して2年遅れの大学生となる。

 ところが、4年生のとき、ガソリンスタンドの息子の子を妊娠し、大学を中退し、息子と結婚してガソリンスタンドを支えながら暮らす。そして女の子を産む。

 その直後、夫と義父が交通事故にあい、死んでしまう。ガソリンスタンドを追い出され、同時に有名画家に出会い、彼の絵のモデルとして、パリの画家のアトリエに娘と一緒に行く。

 そのモデルの仕事を終え、日本に娘と戻るところで上巻が終わる。

不思議な物語である。生活場所、環境が次々変わるのだけれど、それにより茉莉が変貌してゆかない。ずっと同じ茉莉がいて、環境、背景だけが変わるだけという印象が強い

 下巻では、大きな変転する物語になるのだろうか。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 08:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT