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堀川アサコ    「幻想温泉郷」(講談社文庫)

 「幻想郵便局」の続編。

 登天郵便局は、亡くなった人たちが成仏するために通る入り口。亡くなってこの郵便局にやってきた人たちは、ATMを使って生前の善行、悪行を「功徳通帳」に記載して、地獄極楽門を通って、あの世に向かって旅立ってゆく。ところが、その中に「功徳通帳」に記載されている悪行が消滅して、地獄極楽門の手前で消えてしまう人がでてくる。

 こんなことが起こっては、登天郵便局の存立にかかわる。そこで、東京に就職していた主人公のアズサが、たまたま休日で帰郷、郵便局に遊びにきていたとき、消えていった人たちがどこへ行ったか、謎の占い師それを探せるのはふたご座でB型の女性しかできないとの宣託があり、探索をすることとなる。

 ゴボウというホームレスの男と協力して、銀行強盗をするようにと神と言われている狗山比売の命令でアサコが強盗をしようとしているところに生田という男が途中で加わる。強盗は失敗する。

 その後生田が公園で首を吊って死のうとするところをゴボウと一緒に助ける。
 生田は婚約者を別の男にとられ、しかも婚約者は妊娠。そのことに悲観し自殺を試みたのである。

 アズサは、消滅した人間が枯ヱ野温泉に行っていることをつきとめる。枯ヱ野温泉は、生前の罪がすべて洗われ無くなるといわれている温泉。しかし、これがどこにあるかがわからない。行ったことがあるという人にも出会うが、すべての人が場所を忘れてしまっている。

 ところが、生田が枯ヱ野温泉に車で連れてってくれた。

 実は、アズサは生田の婚約者とそっくりだった。それで生田は、アズサを好きになり婚約まで申し込む。生田はかなりの美男子であり、アズサも恋心を覚える。

 ところが、この温泉で、生田は5年前、婚約者を奪った男らに湯の中に頭をつっこまされたまま溺死させられていたことがわかる。つまり、生田は幽霊だったのである。そして地獄極楽門の手前で消滅していた人たちは生田の怨念、呪いにより無理やり枯ヱ野温泉に来させられていたのである。

 アズサは生田を地獄極楽門に連れてゆき成仏させる。門をくぐってでてゆく生田の姿にアズサは涙ぐむ。それから、門の直前で消滅する人はいなくなった。

 幽霊とアズサの悲恋の物語だった。

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| 古本読書日記 | 09:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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