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江國香織  「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」(集英社文庫)

 主人公陶子と夫水谷の会話。

 午後9時前、陶子が言う。
 「ちょっと 外出するわ。」
 「時間を考えろよ。」
 「まだ9時にもなってないじゃないの。」
 「独身のころはしょっちゅう街にいた時間だわ。」
 「もう独身じゃない。」
 「どうちがうの?」
 「子供がいるわけでもないのに、どうして夜はでちゃいけないの。」
 「ちっともちゃんと話してくれないのね。」
家庭ではこれが繰り返される。夫は何を言っても、妻にはかなわない。そして、何も言わなくなる。で、妻の決め言葉は
 「ちっともちゃんと話してくれないのね。」となる。
男は好き勝手、女遊びをして、家庭から放り出される。でも、自分は悪くないとつぶやく。

 この物語にでてくる別の男、土屋のつぶやきが痛々しい。
 正直に生きてきたつもりだった。好きな仕事をして、好きな女と、短いが正直な恋をしてきた。女には敬意ははらっているが、女にふりまわされることなどない質だと思っていた。

 それにしても長い作品だった。300ページくらいまで、9人の登場人物の普段の暮らしが延々と続く。その後、物語は動き出し、色んな出来事が起こる。物語の構成が少しゆがんでいる。

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| 古本読書日記 | 09:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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