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江國香織    「すみれの花の砂糖づけ」(新潮文庫)

 詩集。

 江國さんは、子供の頃から、少し冷めていて、孤独感、虚無感が漂っていた。
例えば「眺める子供」という作品

 眺めていた
 校庭を
 教師を
 ほかの子どもたちを
 じかにさわれる
 石や
 砂や
 下駄箱や
 朝礼台の方が
 ずっとしたしい気持ちがしていた
 それでも
 眺めていた
 校庭を
 教師を
 ほかの子どもたちを

こんな詩があふれているのだが、この虚無感をかなぐりすて、まっさらにさらけ出した時の
江國さんの言葉の嵐も強烈である。「願い」という作品。

 いつまでも いつまでも あなたと寝たい
 私の願いはそれだけです
 よあけも まひるも 夕方も
 ベッドであなたとひとつでいたい
 雨の日も 風の日も
 風邪気味の日も、空腹の日も
 がっしりくっついて あなたといたい
 私の細胞のひとつひとつが あなたを味わう
 あなたの細胞のひとつひとつが わたしでみちる
 体中の血がいれかわるまで
 体温がすべてうばうまで
 もう足の指いっぽん動かせない
 と
 あなたが言うまで
 もう寝がえりもうてない
 と
 私が言うまで
 もう首が持ち上がらないと
 と
 あなたが言うまで
 いつまでも いつまでも あなたと寝たい
 くっついたまま としをとりたい
 何度も 何度も あなたとしたい
 地球があきれて
 自転も 公転も
 やめるまで

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| 古本読書日記 | 08:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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