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江國香織     「真昼なのに昏い部屋」(講談社文庫)

 人生の中で本当の恋は、年とか、生活している環境などと係りなく突然やってくるから大変である。中年の恋というのは、打算があったり、いきなり体の関係があったり、体の関係になるための駆け引きがあったり、純真さや純粋さとは縁のない関係が殆ど。

 この作品の美弥子さんと、アメリカ人の大学教師ジョーンズとの恋は純粋、純真である。フィールドワークという名のデートが毎週あり、小鳥を観察したり、街や公園の風景を観察したりする。途中で銭湯にもよって気持ちも体も暖かくする。その過程で、互いを知り合い、尊敬し、信じあう関係に徐々になってゆく。その間、体を求めあう衝動は全くわいてこない。

 体の関係を持ったのは、夫の浩が会社に出勤していて不在なときに、2人が楽しそうにデートをしているという近所の噂を夫が知り、激怒したとき、美弥子が大学教師のジョーンズのところへ駈け込んだときである。

 しかも、次の日が土曜日。もともとしっかりした恋愛の土台ができていたので、2人は堰を切ったように一日中、土曜日も日曜日も愛し合う。

 夫の浩は、美弥子は清楚で優しい妻だったので、家に帰ってきたら叱らず優しく受け入れようと考える。そうすれば、平穏な生活に戻るだろうと確信をしていた。

 江國さんが、この結末をどうするのかと読んでゆくと、さらりと2人は離婚をしたと軽く片つける。

 私も納得、安心をした。どんな年齢になっても、純粋、真剣な恋を邪魔することはできないのだと思った。

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| 古本読書日記 | 09:38 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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