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原田マハ    「総理の夫」(実業乃日本社文庫)

 相馬凛子は42歳、日本では初めての女性総理大臣となる。鳥類研究者である夫日和は、総理を支えるべく「総理の夫」となる。

 発想は面白い。日和は、一般人から突然「総理の夫」となる。総理の伴侶として、外遊に随行したり、国内視察にも随行しなくてはならない。鳥類研究所への通勤は専用車がつき、送り迎えがなされ、電車通勤などありえない。更に一人での、勝手の行動が許されなくなる。

 すべてが凛子中心で、凛子にとってマイナスになるような行動は避け、全身全霊で凛子を支える、よき伴侶にならなければならない。

 凛子は10名にも議員が満たない弱小野党直進党の党首だった。しかし、当時最大与党だった民権党の実力者原が、民権党を飛び出し民心党を結成、野党に転じ、結果野党が与党民権党を上回り、野党連立政権が誕生。原の意向があり、首相が凛子となったのである。

 この原は、現在の小沢一郎に似ている。この他の登場人物も造形がはっきりしているが、際立っている分現実感がなく、少し安っぽいテレビドラマをみているよう。

 政治の中身も深堀はなされず、表面的に流れ、それゆえ「総理の夫」としての揺れる現実が十分に描かれず、発想が生きて来なかった。

 発想が先行して、書き始めたが、政治の実態を十分把握していなかったため、中味が薄く少し安直だった印象を受ける。

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| 古本読書日記 | 09:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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