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江國香織    「ぼくの小鳥ちゃん」(新潮文庫)

 雪の朝、主人公のぼくの部屋に、小さな小鳥がやってくる。「あたしはそのへんのひよわな小鳥とはちがうんだ」と言ってぼくの部屋に住み付く。ぼくには、毎週週末にやってくる彼女がいる。彼女はちょっぴり小鳥ちゃんに嫉妬をしている。

 この小鳥ちゃんの生きている姿が、私には重くズシンとくる。

 小鳥ちゃんは、仲間からはぐれたから、主人公のところにいると宣言する。だからと言って不安だから、寂しいからと言って、仲間のところへ決して帰ろうとしない。むしろ、そこから解き放され自由でいることを楽しんでいる。主人公と部屋にいても、彼女と主人公のデートに連れ添っても、いつも言動は媚びることなく独立している。

 思い立った時は、窓からとびでて自由に空へとはばたき、ときには2-3日帰ってこない時もある。アパートの上の階の部屋のおばさんの肩に乗っかている姿をみたときには、主人公のほうが大きな衝撃を受ける。

 江國さんは、世の中のしがらみとらわれない自由をことのほか望み、愛している。小鳥ちゃんは江國さんの姿を象徴しているのだろう。

 だけど、絆を断ち切ることで得る自由はどこかに言い知れない寂しさが漂う。

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| 古本読書日記 | 09:31 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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