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村田沙耶香    「ハコブネ」(集英社文庫)

 19歳の里帆は、男とセックスしても、辛く苦痛しか感じない。それで、自分は女ではなく男ではないかと考える。31歳の椿は、夜でも日焼け止めクリームを塗っている。同い年の知佳子は男に抱かれても、何も感じるものが無い。

 里帆は男のかつらを被り男装して行動する。それで、女性を抱いてみても、相手も自分も冷ややかになってしまう。FTMという概念があるそうだ。FEMALEからMALEにTRANSFERすることを里帆は実践したのだ。しかし、それに失敗して、FTXだと考える。
Xは、女性でも男性でもない無性という世界。これは、なかなかイメージが沸かない。

 それが何か実践しようと椿と抱き合う。里帆は、無性を実現しようと、性感帯が無いところを愛撫する。一方椿は、女性の性感帯を攻める。里帆はそのたびエクスタシーを感じる。椿は、ちゃんと里帆は女性ではないかと断言する。

 男性でも女性でもない無性のSEXとは。それは千佳子の行為かもしれない。千佳子は人間は宇宙のごく一部と考えている。宇宙が恵んでくれる水は人間の体を循環して、地球に還り、そこからまた宇宙へ帰っていく。すべてが宇宙の生命体の一部を成している。

 それで、自分の欲望がつながっている物は、地球の表面の土。その土に指を差し入れ快感を感じる。

 こんな妄想は、ひょっとすれば結構な人が抱くかもしれない。しかし、それを発言する人はめったにいない。それを、村田さんは、描きだす作家である。

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| 古本読書日記 | 15:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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