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山本甲士    「ひかりの魔女」(双葉文庫)

 主人公のおばあちゃん、おじいさんが死んで一人暮らしになったため、主人公の家が引き取ることになった。お母さんは気乗りはしないのだが、今暮らしている家にはもともとお祖母ちゃんが住んでいて、名義もお祖母ちゃんになっているため引き取らざるを得なくなる。

 主人公の家は、大変で、主人公は大学受験に失敗して浪人中、妹は高校受験。母親がパートで勤めている総菜屋は倒産しそう、父親は会社のリストラにかかり、退職を強要されている。

 お祖母ちゃんは、昔書道教室をやっていて、お祖母ちゃんの優しさに救われた経験を持ち、お祖母ちゃんを心から慕っている昔の生徒が何人かいる。

 お祖母ちゃんは、決して当人にはわからないように、昔の生徒たちにあい、母親と父親の苦境を救ってあげる。そして、最後には暴力団抗争まで手打ちをさせてしまう。

 意識してはとてもできないが、慕われる人のすばらしさ、暖かい人間関係、それこそが、何にもまして、人間を幸せになることを物語は教えてくれる。

 おばあちゃんの幸せについて語る言葉が優しい。

 「忙しいという字はね。りっしんべんに亡くなるってかくでしょ。忙しすぎると、心のほうがお留守になってしまうということね。実際、人間の心は弱いもので、あまり欲をだすと、そのせいで見えなくなってしまうものが出てくるし、おカネがなければ困るけど、多ければ多いほどいいものではないんじゃないかしら。家族が幸せでいられるさじ加減というのは、いっぺんにおカネもうけをしたり、どんどん忙しくなることじゃなくて、何ごともちょっとずつ良くなっていくことだと思うのよね。」

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| 古本読書日記 | 16:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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