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今江祥智     「きょうも猫日和」(ハルキ文庫)

 心底猫大好きな作家今江が、これこそ猫の魅力だと不思議を描いた短編集。

 どれも味わい深い作品が並んでいるが、洒落ていていいなあと思ったのが「冬の部屋」。

 玲子は冬の雪が降りしきる街角で、震えている子猫を拾い家に連れて帰る。その間猫は玲子の腕の中で、ハックションとくしゃみを繰り返す。玲子は心配している。玲子の家にはチガウチガウという名の犬を飼っている。チガウチガウが子猫を受け入れてくれないのではと。

 しかし、家の部屋で、無邪気に近付く子猫が「ハクション」とくしゃみをすると、チガウチガウも負けないくらいの「ハクション」を返すことで仲良くなる。玲子は子猫の名前を「タンポポ」とつける。

 実は玲子には3年も文通をしている作家がいる。小学校3年のときに読んだその作家の作品に感動したことが文通につながった。だから、タンポポのことも報告した。
 すると作家から、タンポポの「観察記録」を書いたらと返信がある。文才があるから、童話作家になれると。

 それで、玲子は毎日観察記録をつける。作家はそれを使って、作品を作る。それって盗作でまずいんじゃないの。
 作家は言う。何を言ってるんだ玲子は私かもしれないよと。

 となりの部屋からタンポポのような鳴き声が聞こえてくる。

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| 古本読書日記 | 16:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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