FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

山本サトシ  「とっておきの旅 100選東日本編」(講談社文庫)

 最近は、雑誌でも高級旅館を中心に、旅はここに行って高級感を味わえとか、もう秘境でもないのに、ここぞ秘境とおおげさに喧伝して、こここそ行かねばと煽る本が多い。

 もうちょっとおたく的であって、渋い見どころ満載の本が欲しいと思ってえらい古本だけど手にとってみた。確かにこだわって渋かった。

 知らなかったけど、結構有名なのかもしれないが、千葉県の木更津にはしょじょうじのたぬきばやしの証正寺があるんですね。「夕焼け小焼け」はちゃんと中村雨紅という詩人が作ってその場所もある。

 大正15年に第一次南極越冬隊隊長だった西堀栄三郎、長野県と群馬県の県境にある唐沢高原にやってきて、ここで猛吹雪に会う。そこでクレメンタインのメロディーにのせて替え歌「雪よ岩よ われらが宿り」と作り、これが「雪山賛歌」となり流行したと、こんな土地を愛情をこめて歩く。

 この本で、行ってみたいなと思ったのが、宮城県女川町の中にある、有人小島江の島。

 昭和60年ころ著者が訪ねているが、その風景が、郷愁をそそる。

 水道は孤島ゆえまだなく、島に唯一の井戸があり、そこですべての生活用水、飲料水は賄う。電気はディーゼル発電機で供給する。だから夜10時以降は供給されず町は停電。10時以降も電気が必要な家は、島の役所に申請して供給してもらう。

 子供たちはすべての家は自分の家。勝手に他人の家に上がるが非難するひとは皆無。そこでおやつをもらう。もちろん、わがままな子は、上がった家の大人がしかる。

 頭に荷物を乗せて運ぶ。この江の島が頭で運ぶ北限の町だということだ。

 昭和60年当時は100件の家があったそうだが、今は90人ほどが住む島になったそうだ。コンビニはもちろん、ガソリンスタンド、自動販売機も無いそうだ。
 素朴で自然な、江の島に行ってみたい気持ちが募る。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 16:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT