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津原泰水    「ルピナス探偵団の当惑」(創元推理文庫)

 ルピナス学園の生徒である、主人公の吾魚彩子とその仲間、桐江泉、京野摩耶、祀島龍彦が遭遇する事件を解決する3篇のミステリーが収録されている。最初の作品は彩子の謎解きにより解決されるが、2作目から3作目は彩子ではなく、推理の比重が龍彦に移り、解決がされてゆく。

 まだよくメカニズムがわからないが、殺害を起こした部屋を、リモコンを使い異常に暖かくしておく。こうしておくと、死後硬直の時間がわからなくなり、殺人があった時間の特定が難しくなって、推定殺人時間の幅が広がり特定ができない。リモコンは操作した時間がわかるそうで、これは犯人が捨てて処分する。

 被害者の仕事机には、たまたま出前ピザの箱がありピザが残っていた。犯人は全部ピザを食べる。残しておくと、被害者がピザを食べようとした時間、即ち殺害時間の特定がなされるから。

 普段はあまり気にしないのだが、玄関の入り口には灯りが取り付けられている。殺害は下駄箱にあった大きなガラスの置物で被害者を頭から殴打することでなされた。犯人の可能性がある一人を除いて全員172cm以上の背丈があり、そんな置物を振りかざすと、玄関の灯りにぶつかってしまう。それで、新潮150cmの小柄な女性の犯人が割り出された。

 よく犯人は追いつめられると「証拠はあるか」と居直る。津原の作品の優れて面白いのは、証拠をみつけるのは警察の仕事。それが見つからなくて、犯人が捕まらなくても関心はない。

 こいつが犯人であるという論理がきちんと確立できることが肝要。その一点の曇りのない論理の切れ味が爽快である。

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| 古本読書日記 | 16:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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