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矢月秀作    「もぐら醒」(中公文庫)

 「僕は欲望に対する心理行動を研究してきた。人間はどこまで、抑え込んだ欲望を発散できるのか。どうなれば、その欲望を吐き出すのか。卒業論文のテーマなんだよ。『負の欲動における心理変遷とその抑制について』。この研究はのちの社会の役にたち、僕を学会の寵児に押し上げるものだった。」

 こんなことを考え実行しようとしている犯人が、ネットゲーム「フレンジー フェロウズ」を立ち上げ運営する。犯人は、殺人、レイプをゲームの参加者に実行するように、煽りに煽る。更に、そのフレンジー フェロウズから違うサイトに誘導する。そこでは、レイプすべき対象者の全裸の合成写真がはられていて、彼女のプライバシーの紹介とともに、「レイプをしてくれるのを心から待っている」というメッセージとともに、レイプ場所まで指定している。

 また別の動画サイトでは、実際にレイプした場面を動画に撮っていて、それをアップしてレイプを煽る。
 そうすると、世の中では、欲望を押さえられなくなって、レイプ殺人に走る人間がでてくる。

 こういうレイプ殺人が起きると警察は捜査が難しい。まず、ネットの世界で殺人がなされているということになかなか気が付くことができない。更に被害者と加害者に人間的な接点が無いから被害者の周囲や関係する人をあたっても犯人が浮かび上がらない。
 サーバー管理者まで特定できても、その利用者を公開するよう管理者にお願いしても、証拠も逮捕令状もないのに、利用者名の公開は個人情報保護の名目で拒否される。

 更に、ネットゲームを主催している人間までたどり着いても、自分は欲望の研究をしているだけで、殺人を起こしたのは、起こした人の責任、自分は何も手をくだしていないし、関係ないと逃げる。だから、肝心な犯人を逮捕するハードルは高い。

 ネット時代の事件は、法律も追いついていなくて、捜査、逮捕が難しい。

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| 古本読書日記 | 15:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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