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矢月秀作    「もぐら」(中公文庫)

世界で麻薬の生産は増加している。だから、供給量は十分ある。麻薬取引でまず大きな関門は、麻薬を税関や麻薬取締捜査組織の目をごまかして、確実に日本にいれるかだ。そして、需要者に確実に捌く方法だ。路上などで、こっそり受け渡す方法は危険だし、一人一人への手渡しでは手間ばかりがかかってしまう。

 ちょっと読んでいてイメージがもうひとつわかないが、密輸の方法がこの作品で書かれている。
 「ブツを水に溶かして、ガラス細工の縁の隙間に仕込み、ガラス製品として輸出入する。」
「クリスタル細工に仕込まれたブツを抜き出し、水分を飛ばし粉に戻す。」
麻薬の密輸方法も進化しているのだ。

 麻薬を供給する方法。学生のクラブなどに渡りをつけ、彼らの主催で何かのセミナーを開催する。そして、会費をとり需要者にセミナー開催のチラシを渡す。

 学生のクラブが、麻薬を売買するセミナーを開催するなどと一般には思われないから、警察捜査のブラックボックスとなる。
 こうした供給方法ができると、麻薬の売買の方法が一括で行え、効率も非常に良い。
この物語では、主人公のもぐらが紆余曲折しながら最後にこのセミナーにたどりつく。

 それにしても当たり前なのだが、もぐらはたくさんの敵に囲まれても、必ず負けることなく、完璧に打ち負かす。その打ち負かす場面が、作者が読者を魅了させるための腕のみせどころなのだろうが、何だかどの場面も主人公に都合よく展開する。その場面こそが、読み応えがあるのだと思い込んで読まないといけないが、私はなかなかその域には達せそうもない。

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| 古本読書日記 | 16:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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