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二宮敦人    「文藝モンスター」(河出文庫)

 よくミステリーでは登場する物語。新進作家が、文学賞を獲り、その作品がベストセラーとなる。ところが、作品のアイデアや筋立ては、彼の裏に覆面作家が控えて創っている。覆面作家も小説家になって表舞台で活躍したいと思っている。新進作家は、最早自分だけでの執筆能力は無くなり、覆面作家の作品に自分の名をつけて本を世に送り出している。

 そして、ある時から、覆面作家は新進作家の小説を書くことを拒否するようになり、やがて自らの作品を文学賞に応募しようとする。

 新進作家は、すべての作品が覆面作家の創作であることがばれると、世間からはじかれ、生きてゆくことさえ困難になる。だから、覆面作家を殺すことを企てる。

 作者二宮は何か特別な意図があるのかしらないが、殺人を起こす新進作家の名前を朝倉リョウタとしている。ちょっと今直木賞をとり波に乗っている作家を彷彿とさせる。

 それにしても、殺した作家の殺人時間をごまかすために、吹き出た血を全部体からとりだし、代わりにホルムアルデヒトとメチルアルコール、および赤色の着色料をポンプにより押し込み、赤くなった元気そうな顔のまま、上半身だけをパソコンの前に置き、執筆をしているかのように目撃者に錯覚させる仕掛け。大げさで現実的ではないように思った。

 ところで、本というのは、映画や音楽と違い、自らが手にとって開いて読まないと味わえない。その読み方や速度も自由だし、繰り返して読むことや、前に戻ることも自由。読書は受け身ではなく能動的活動である。

 ということは、過激な帯などに魅かれて、購入はするが、後で読もうとして本棚に仕舞われる本も存在することを意味する。購入して読まれることの無い本が、世の中にはたくさんあるそうだ。皆さんは購入した本は必ず読んでますか?

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| 古本読書日記 | 16:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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