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大槻ケンヂ   「グミ チョコレート パイン パイン編」(角川文庫)

 この作品には、しばしば映画「卒業」が登場する。

 青春はとにかく振幅が激しい。有頂天になって、これ以上の幸せはあり得ないと思っていたすぐあとにドカンと底に落とされる。もう死んでもかまわないと思う。

 「卒業」。結婚式での彼女の略奪。その瞬間は、もうヒーローになった気持ちだ。しかし、次の瞬間とりかえしのつかないことをしてしまった。もう、これからお先真っ暗と底に打ち落とされてしまう。

 17歳の主人公大橋賢三も底へ打ち落とされる。青春はうちのめされたら、どういうわけか寂れた映画館のオールナイトショウに行きたくなる。そして、同じ俳優が登場しているポルノ映画を何本も、落ちこぼれた人たちと一緒に観る。そして、俺は何をやっているんだろうと更に落ち込み、夜明けの街へと歩を進める。

 そうすると、早朝から営業しているファッションヘルスにぶつかる。呼び込みのお兄ちゃんに腕をとられ、店に引き入られる。店の名前が「ふぞろいの淫娘たち」。

 最高に愛している人と、ロマンティックな状況で、初めて憧れの女性と体験するはずだったのに、大橋君の初体験は、憧れの女の子には程遠いおばさまにリードされ実現する。

 普通物語はこれでもっと落ち込むはずなのに、大橋君には待っているバンド仲間がいた。
今、心をまっさらにして、バンド仲間の初ライブの会場に向かい走りだす。

 よかったね。大橋君。青春を駆け抜ける友達がいて。

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| 古本読書日記 | 16:31 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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