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警察アンソロジー   「所轄」(ハルキ文庫)

  覚せい剤取締法違反で旅館従業員の室田が逮捕されていた。スナック経営者の武宮美貴の室田が覚せい剤を所持しているという目撃情報により、逮捕状が請求され、その逮捕状をもとに、室田の部屋を捜索したところ、注射器と覚せい剤0.2gが発見され、室田は現行犯逮捕されたのである。

 一週間後にこの事件の公判が開かれる。この調書を読んでいた公判担当検事の佐方は美貴の目撃情報に違和感を覚えた。
 美貴の目撃情報は、美貴が学校に息子を迎えに行く途中で、路肩に止まっている室田の車を発見。その車を覗くと、室田が覚せい剤を注射しようとしていたということだった。この目撃をした日が5月24日(月)。実はその前日の23日に小学校では運動会があり、決まりで運動会の翌日は振替休日であった。つまり、美貴は息子を迎えに行く必要はなかった。

 更に美貴が室田を見たという15時には、室田はまだ旅館で仕事をしていた。

 完全に嘘の情報である。

 証言に偽りがあった場合、その証言に基づいて取得した家宅捜査令状には法律違反の疑義が生じる。そうなると逮捕そのものが、法律違反となり、無効になる。

 そして、この逮捕は、結果無効となり室田は無罪で釈放されると物語ではなっている。

 全く不思議だ。情報は虚偽で、捜索令状は法律違反かもしれないが、現実は室田の部屋で覚せい剤は発見されているのだから、室田は完全に法律違反者で逮捕されるべきだと思う。
 その事実を前にしても、室田が無罪放免されるとは。こんなこと本当にありなのだろうか。

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| 古本読書日記 | 16:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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