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法月綸太郎     「密閉教室」(講談社文庫)

 法月綸太郎の処女作。

 教室7Rは完全に密室だった。朝一番にやってきた笙子が教室のドアを開けようとしても開かない。どうして?そこに担任の大神がやってきて開けようとするがやはり開かない。そこで、大神はドアをぶったたきながら力ずくで、はずす。すると、教室には48組のすべての机と椅子が取っ払われていて、生徒の一人である中町が血まみれになって遺書のコピーとともに死んでいた。

 他殺か自殺か。この謎に探偵小説マニアの工藤と森刑事が挑む。

 一番の謎は、48もの机と椅子がどうして教室から外へ出されたのか。

 実は、中町は、7Rの教室ではなく、職員室で殺されていた。これを自殺にみせかけるには、職員室での自殺は現実的ではないので、死体を7Rの教室へ移動させる。更に床に貼ってある血だらけのタイルを7Rのタイルと交換して、7Rで中町が自殺したようにみせかけねばならない。タイルを交換するためには、椅子と机をどかさねばならなかった。

 ここまではわかるが、こんな大がかりな作業を犯人が行えるわけがないと思っていたら、この学校、暴力団に弱みを握られていて、彼らが扱っている覚せい剤の隠し場所になっていた。先生というのは気の弱い保守的集団で、こんな不祥事が明らかになったら、学校だけでなく自分の人生も終わると思い込み、殺人を自殺とみせかける行為を先生みんなで行っていたのである。ちょっとびっくりしたトリック。

 それから、実際は密閉教室になっていたのではなかった。笙子が学校にやってきて教室のドアが開かなかったのは、死体処理がまだ終わっていなくて、先生が中にいて、笙子がドアを開けようとしたとき、中の先生がドアを押さえて開かないようにしていたのだ。

 思わず笑ってしまった。

 法月が現在発表している作品と異なり、オーソドックスな推理小説になっている。

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| 古本読書日記 | 16:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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