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高田郁    「晴れときどき涙雨」(幻冬舎文庫)

 今や売れに売れている「みをつくし料理帖」シリーズの作者高田郁のエッセイ集。

 高田さん、小学生のころは天文学者になりたいと思っていた。大学は中央大学法学部。法曹界で生きてゆくことを目指し、司法試験に何回も挑戦するが、ことごとく失敗。法曹界にはいることはあきらめざるを得なかった。学習塾の講師をしながら、漫画原作者の道に入る。そのときの作家名は川藤士立夏。漫画原作者で15年間、そこである編集者の、直接読者に作品を届けたらという一言で、江戸時代を描く作家に。それは山本周五郎が最も愛する作家だったから。

 高田さんは、小学生のころはいじめられっ子だった。うまく他人との会話ができない。いつも孤立していた。小学5年生のとき、担任のN先生が「家に遊びにいらっしゃい」と誘ってくれる。そのころ先生の家までゆくのには、まだ走っていた蒸気機関車に乗る。

 先生の家は農家で、ウドの栽培方法を教わったり、おいしいお弁当を頂き夢のような時間を過ごす。もう帰らなければいけない時間がくる。涙がいっぱいあふれる。

 先生は「送ってあげましょう。」と言って、一緒に蒸気機関車に乗る。恥ずかしいから、眠ったふりをしている。途中で薄目をあけて先生を見ると、先生は涙を流している。

 そのとき先生は文庫本を読んでいた。その文庫は壺井栄の「母のない子と子のない母へ」。
家の近くの本屋で早速買って読んで、高田さんも涙があふれる。

 今高田さんの書棚にはあっちで買った、こっちで買った「母のない子と子のない母」がおさまっている。

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| 古本読書日記 | 16:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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