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黒木瞳    「母の言い訳」(集英社文庫)

 日本文芸大賞エッセイ賞受賞作品。

 私は全く知らないが、黒木さんが最も影響を受けた本が「三ケ島葭子全創作文集」。
三ケ島さんという人は大正時代の歌人だそうだ。

 平塚らいてうが、
「人が持ちうる時間と精力には限界があり、人は同時に二つもしくは、二つ以上の事に自分の魂のすべてを与えられない。」
と言ったところ、これに反論して三ケ島は言う。

 「食べるための職業と、孤独な魂の要求に基づく仕事の二つをいかに選択すべきかを考えるのは無駄である。もうぶつかってしまった現実なのだから、それを一刻もはやく自覚して努力すべき。何故なら時間や精力に限りはないのだし、そんなに心細いものではないはず。女性は子供を産むことによって、その魂は制限されるのではなく、より拡大する。」

 この言葉はすごい。黒木さんはここに強い感銘を受ける。

 三ケ島の前記の言葉を体現した歌を紹介する。
「子のために ただ子のためにある母と、知らば子もまた寂しかるらむ。」

 そういえば黒木さんも詩を書き、詩集も何冊か出版している。その詩も紹介する。

 あなたの世界が増えていく 私から一ミリずつ遠ざかる
 私の知らない話がとびだしてくる
 私のうしろにあなたが いたりする
 ママにはうしろにも目があるから、あなたが見えるのよと 私がいう
 あたしもみっつ目があるの とあなたがいう
 ふたつのおめめ こころのおめめ

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| 古本読書日記 | 16:34 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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