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高島徹治  「月10万円で豊かに生きる 田舎暮らし」(幻冬舎文庫)

 都会のあくせくした生活から脱却して、本来の人間性あふれる暮らしをとりもどすため田舎に生活の場を求め移住する。それを実現した人々の豊かな生活を紹介して、田舎生活賛歌本である。

 この本、スローライフのすばらしさ、豊かさを喧伝しているが、本当に田舎生活をするとそれが実現するのか、もうひとつ読んでもピンとこなかった。

 自然を堪能し、スローライフを実現している紹介事例の殆どが、定年直前か定年後に移住した人々を扱っているからだ。そういう人たちは、預貯金もあり、更に年金で生活できる基盤が整っている。正直、都会で暮らそうが、田舎で暮らそうが、せわしい、厳しい生活に陥ることなく暮らせる人々である。都会にいるか、田舎に移住するかは、価値観の相違で、暮らしぶりはそれほど変わるものではない。

 過疎化というのは、若いひとたちが田舎を離れて、帰ってこないから起きる現象である。
いくら田舎生活が素晴らしいといって、60歳以上の人ばかりが移住するのでは、老人世帯が増加するばかりで、そこでの暮らしは不安がぬぐえない。

 この作品では、田舎に住まいを移した後、どのように生活資金を確保するのかが、書かれてはいるが、これで田舎に移って大丈夫なのかという思いばかりが残る。

 まず資格をもって移住しろ。特に医療介護関係の資格が有用。住人は老人ばかりだから働き場はいくらでもある。

 就職場は極端に少なくなるから、再就職はかなり難しい。だから、起業しろという。それも抜きんでたアイデアをもって。それができれば都会でも活躍できる。

 自家菜園くらいの楽しみだったら問題ないが、農業で生計をたてるのはまたこれも厳しい。農地の確保に1000万円。耕作危機、資材に1500万円がかかる。自宅取得以外にかかるのである。しかも、1-2年は無収入という場合が多い。

 田舎に移住して、生計をたてるには、とてもスローライフを楽しもうなんてわけにはいかないとこの本を読んで思った。

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| 古本読書日記 | 16:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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