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町田康    「実録・外道の条件」(角川文庫)

 実録とタイトルにはつけているが、多分、事実を大分デフォルメしたり、空想したことも書いているだろうと思う。確かに、芸能界、出版界というのは、世間常識からはずれた変わり者が多いだろうとは想像がつく。町田さんの思いは本読む限りなるほどとは思うが、これは町田さんからみるみかたであって、編集者やプロダクションから見ると、また違った風景が見えてきて、彼らにとって町田さんは扱いにくい存在だろうなと思ってしまう。

 事実、出版社のニューヨークに行き小説を書く企画、行きたくない、必要性を感じない、目的がわからないとゴネにゴネて、そこまでしてどういう経過があったのか知れないが町田さんはニューヨーク便に乗っているのである。それも、出版社の用意したファースト・クラス。

 契約してニューヨークに来てしまったのだから割り切って目的に従い取材をすればいいのに、あれこれ気が乗らないといってゴネる。そこを出版社の同行者に懇願され出版社の準備した場所へ、いやいやながら行く。

 町田さんからの思いでこの本は書かれているからそうかとは思うが、同行の出版社の社員の気苦労を思うと、町田さんの対応は大人気なくわがまますぎる。
 実際をデフォルメしてはいるが、ここまで糞みそに関係者をけなして大丈夫なのか。町田さんも一流作家になったものだと感心する。

 ただ彼の主張で一点だけはその通りと思う。

 温泉が流行っているが、町田さん同様、私もどうにも温泉が好きになれない。

 コーヒー一杯飲もうと思う。家なら自分でいれて飲める。旅館ではいちいち電話して仲居さんを呼びコーヒーを注文する。この仲居さんがなかなか部屋に来ない。それで、やっときてコーヒーを頼む。今度はコーヒーがなかなかこないのである。この間、催促しようかどうしようかとずっと気を病む。

 夕食も食べる時間が束縛される。仲居さんや従業員を遅くまで働かせないためか、この時間がやたらに早いのである。6時からとか6時半からとか。何だか入院しているみたいである。

 昼間、あちこちをぶらぶらする。午後2時ころ、空腹を感じる。蕎麦でも食うかと思うがこれができない。今食べてしまうと旅館の夕飯が食べられないのである。で、我慢するとやたら飢餓感が募る。

 本当に温泉旅館に宿泊することは窮屈だ。

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| 古本読書日記 | 17:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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