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本多孝好    「MISSING」(角川文庫)

 父親は小さな保険会社に勤めていて、生保レディの管理をしている。よりどりみどりという状態で、女性の出入りが激しい。実は父親は再婚で当然母親も元生保レディ。年の差は15もある。当然、また父親には愛人ができる。そして夫婦関係は最悪となる。父が激昂して母を殴り倒すなどということは年中。

 娘である2人の姉妹は、父に憎悪して、母に頼る。姉の名前は美郷。妹は典子。典子は眼が悪く、でかいレンズの眼鏡をかけている。

 ある雨の日、姉妹は、母に傘をもっていってあげねばと思い、母の勤めているスーパーにでかける。通りの向こうに母が見つかる。その途端に妹が傘をもって飛び出す。そこに車がやってきて妹典子をひき殺し、そのまま逃げ、犯人はみつからないままになる。

 通りの向こうの母は、実は、男に抱かれるようにして歩いていた。

 美郷は、その時から、美郷という名を捨て、自分は典子であると言って、典子になって生きる。母と父に、殺された典子を忘れさせないために、そして、母と父が典子を殺したのだとずっと思えるようにするために。

 そして、10年間典子として生きた美郷は、通りがかった火事の現場で、逃げ遅れた子供を助けようとして飛び込み、焼死してしまう。

 美郷は両親の不貞をすでに知っていた。そして、あの雨の日眼の悪い典子が、通りの向こうの母の存在がわかるわけがなかった。だから、典子は、美郷が「おかあさんが向こうにいるよ」と言わなければ飛び出すことはなかった。そんなことを言ったかどうかは不明。何かが無ければ典子が飛び出すことは無かった。どうして車に轢かれてしまったのか真相は不明。

 最後に焼死した美郷が読者にぐっと鬼気をもって迫ってくる。

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| 古本読書日記 | 15:30 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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