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佐藤愛子    「何がおかしい」(角川文庫)

 バラエティ番組では、少しも面白いとは思わないのに、スタジオで笑い声があふれることがしばしば。番組を盛り上げるために、笑いを強要するのである。こういう類の番組がでてきた当初は、笑い屋という専門の人たちがいて、そういう人たちをスタジオに集めて笑いを作ったそうである。

 今は、多くは若い女性たちがスタジオでこの役を引き受けている。明石家さんまが登場して、何をしゃべっても笑って反応するのである。ここで、付和雷同せず、笑わないでいると、その人は、蔑まれ、団体から弾かれる。先を争って笑わねばいけない。

 その昔、葬式ごっこというのがあって、標的にされた子が、苦しみ自殺したことがあった。

 驚いたことに、この葬式ごっこに先生が担任も含めて4人が加担していた。廻ってきた色紙にある教師は「やすらかに」別の教師は「かなしいよ」また別の教師は「かなしいよ」と書いた。

 事件が発覚したあと、ある教師は「ジョークだから、書いてよ」と言われたからと、また別の教師は「ばかなことをするなよと、たしなめながら書いた」と証言した。

 自殺した子は、机の上に飾られた遺影や花束、寄せ書きをみてただ笑っていた。

 先生には最悪な人間、それでも教師かとの非難が一斉にわきあがった。

 「冗談じゃん。ジョークもわからないのか。」とさんまのしゃべりに笑いをせねばならないように、参加を強要し、もし参加しなければ、あいつは冗談も通じないと疎外する。

 先生も集団からはじかれたら困る。いじめっこグループの冗談につきあわないと、馬鹿にされはじかれ、まともな授業ができないのである。

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| 古本読書日記 | 15:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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