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小路幸也    「うたうひと」(祥伝社文庫)

 私が通っていた会社がある街に「フレンチクウォーター」というスナックがあった。よく町場にある普通のカラオケスナックだったが、店主と奥さんはとても地方都市にいるような人ではなく、あか抜けた人だった。ギターもすごくうまかったし、ウクレレも店にあり、時々演奏をきかしてくれた。

 旦那さんの名前は桜井輝夫といった。色々馴染みになるにつれて、話をするようになり、この桜井さんが東京で以前、米軍キャンプなどで、バンド演奏をしていたことを知った。さらに驚くことにそのバンドの名前が「ドリフターズ」だった。桜井さんは、いかりや長介さんの前のドリフターズのリーダーだった。

 ドリフターズは、夜のクラブなどで演奏するには、まあそれなりのレベルがあり、問題なかったのだが、プロとしてはあまり上手ではなく、しかたないので、演奏に笑いコントをいれて凌いでいた。そこに、米軍キャンプからの出演依頼がある。とても、まともな演奏はできないということで、彼らはギャグを中心に客を大笑いさせることに集中した。

 これをたまたま見ていた、TBSのプロデューサーが、彼らをテレビで使うことを決め、出来上がった番組が「8時だよ全員集合」という後のお化け番組だった。

 桜井さんはテレビにでることに限界を感じリーダーをいかりや長介さんに譲って、ドリフターズを離れ、私たちの街に帰ってきた。

 ドリフターズの最高のパフォーマンスは、あのビートルズが来日公演をしたとき、前座を務めたこと。たった1分15秒だったけど。そのとき、ビートルズの楽器とドリフターズの楽器が両方セットされていたのだが、ドリフターズは間違ってビートルズの楽器を使って演奏してしまう。

 この作品集の中の「明日を笑え」は私の青春時代とビートルズ、それにドリフターズと桜井さんを思い出させた。

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