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榎田ユウリ    「妖琦庵夜話・その探偵、人にあらず」(角川ホラー文庫)

 確固たる想像力、妄想力がP226ページに書かれている。

 「サルからヒトへ進化する過程で、ヒトは脆弱になった。
毛皮に覆われた皮膚を失い、いち早く危険を察知する鋭い聴覚を失い、仲間と縄張りを判別するための嗅覚を失った。代わりに得たものは大きな脳だ。ヒトは知恵を絞り、己と家族を守るために、武器を持つようになった。最初に握った石の礫はやがて核兵器まで発達し、自然界の中で唯一、同種同士で大量殺戮を繰り返す動物となった。
 もう一つ、人には特徴がある。自分自身への探求心がことさら強いという点だ。自分はどこから来たのか、どのようにして生まれたのか、その問いはやがて遺伝子の発見に繋がる。自分という人間の設計図がDNA情報だとわかり、さらに人はその塩基配列を読み解くことに成功した。1985年、電気泳動を使った装置で解読できた塩基は一日たった千文字。それが2009年には、シークエンサーの発達により一日10億文字となる。シークエンサーの発達は止まらず、現在ではある程度の金額を用意すれば、一般人でも自分の遺伝子をすべて解析することができるようになった。
 そこまでして、ヒトは知りたいのだ。自分が何者かを。」

 これがライトノベルの小説にでてくる文章、内容だろうか。そして、この解析が行き着くと、人間のDNAとは異なるが、人間とほぼ同じ容姿の妖怪、この作品では妖人という新しい人種が発見される。そのことから、殺人事件が起きる。

 榎田ユウリはとてつもない才能をもっている作家だと思う。

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| 古本読書日記 | 16:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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