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榎田ユウリ  「宮廷神官物語 渇きの王都は雨を待つ」(角川ビーンズ文庫)

 2008年に書かれている。当時は韓流が大ブーム。その韓流にのり榎田が創作した韓流ファンタジーである。

 この作品は、国が成り立つのは、多くの普通なる国民がいるからであるという当たり前のことを、教えてくれる。

 今や世界は、1%の人たちが世界の富の50%を占めている。この1%の人が成り立つのは残り99%の人々が存在するからである。もし、99%の人が存在しなかったら、1%の人は豊かな生活が実現しない。

 このことが富を握っている人たちには理解できない。この物語でも、雨が降らず、日照りで餓死者が大量にでる。そのため、志ある王子が、貴族や神官にたいし、抱えている穀物を掃出す命令をだすが、それに心よく思っていない、貴族、神官が王子や王子につながる貴族、神官たちをはじきだす計略を作成し、実行する。

 当然、物語では計略は不首尾に終わるが、さりとて、富を享受している人たちが、負けて富がはく奪され、転落してゆくというわけではない。

 国は民によって成立するが、そこから富を収奪している人間を排除できるかというとこれも難しい。富を再分配するということが、国の力を削ぎはしないのか。削がないようにするための国のありかた、富の分配の方法が、いまだに描くことができないところに苦悩する人類の課題がある。

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| 古本読書日記 | 16:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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