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辻村深月    「ネオカル日和」(講談社文庫)

 公園の前のたい焼きの店「ひらかわ」。皮がパリパリであんこが尾びれの先までつまっていてとてもおいしいと評判の店。いつも長い行列ができている。主人公の女の子、小学2年生から3年生になるときお母さんと初めて食べてその味のとりこになる。しかも、たいやきを店先で焼いているお兄さんがとても恰好よく初めて見たとき胸がきゅんとときめいた。

 ある日の午後、「ひらかわ」の前を歩く。いつも人だかりがあるのに、その日は誰もいない。そんな時、お兄さんに呼び止められた。

 「いつも、行列ができるわけではないんだ。午後の今の時間はだれもいない。」
そして、主人公の子に、たいやきをタダであげるから、公園で食べてと言われる。びっくり、うれしくなって公園に行ってベンチに座ってたい焼きを食べる。そのベンチにはいつも、若いお姉さんがスケッチをしている。お姉さんがちらっと主人公の食べてるたいやきをみる。

 次の日もたいやきをタダでもらい。また、ベンチで食べそしてお姉さんがまたちらっとみる。

 その次の日、「ひらかわ」に行くと、お姉さんとお兄さんが嬉しそうに話しをしている。完全に恋人同士のよう。主人公の女の子は、衝撃を受ける。大好きなお兄さんがとられてしまったと。それから「ひらかわ」の前を通ってもお兄さんは声をかけてくれない。

 女の子は直接声をかけられないお兄さんが、自分を使ってお姉さんを引き寄せようとしていたことを知る。切ない気持ちが一杯になった。

 辻村さんが小学生の時、びっくりするのだが、クラスで小説を書くことが流行ったときがあったそうだ。他の皆は恋物語を書く。題が「明日のボールを君に」とか「レモン色の濃い占い」など。そんな時、辻村さんが生まれて初めて書いた小説。その題名が「さまよえる悪霊の中に」。流石、天才辻村さんだと感心した。

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| 古本読書日記 | 21:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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