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町田康   「権現の踊り子」(講談社文庫)

 「だいたいにおいてカレーが自慢っていう人が多いんだよ。というのはつまりカレーっていうのは種々の香辛料を調合して味を拵えて行くわけでしょう。で、みんなその配合具合に独自の俺の味があるなんて言っているわけだ。でもそれってホントは虚しくってなんていうのかな、自分で考えつくことは独自だっていう、自分は自分であることそれ自体が特別であるっていうガキみたいな考え方なんだよね。つまりなにをいいたいかというと、配合程度のことに縋って自分が独自だというその心底が卑しいんだよね。つまり、それはよくいうだろう、自分が才能あると信じてバンドとかやってる奴な。ああいうのと一緒なんだよ。つまり、専門の教育を受けていないそこらの兄ちゃんが売り物にできるのは、なんか曖昧な、例えばセンスとかそういうものなんだよ。でもそこがくせ者で技術やなんかだと一目瞭然なんだけど、そういうセンスなんて言うのは曖昧だから、自分でセンスあると思っちゃえば思えるんだよね。けどそれは客を騙すにはいたらないんだ。結局自分を騙してる、誤魔化してるだけさ。・・・・そういう奴は結局、他より優れた自分という妄念から逃げられなくて結局滅亡するんだけどね。・・・後、自分や自分の体験が特殊であると信じてそれだけを根拠に詩や小説を書いたりね。これが一番、まあ困る部分だね。」

 強烈な町田の想いを物語にいれている。町田自身のことを自虐的に言っているのだろうか、それとも他人にそういう馬鹿な人が多すぎると言っているのだろうか。

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| 古本読書日記 | 21:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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